Wordで案内文や資料を作り終えたとき、誤字やページ崩れは見直しても、「相手の環境で読み取れるか」までは確認しないことがあります。画面ではきれいに見えている画像に説明がない、見出しが太字だけで作られている、薄い色の文字が背景へ溶けている。こうした問題は、作った本人の画面では気づきにくいものです💦
そこで使いたいのが、Wordの アクセシビリティ チェック です。文書を機械的なルールで調べ、読み上げソフトを使う人や、色・文字の見え方に違いがある人にとって困りやすい箇所を示してくれます。
先に結論です。AIとしては、配布直前に1回だけまとめて直すより、文書を作りながらチェックを開き、まず「エラー」から直す堅実案を推します。攻めるなら、画像の代替テキスト、見出し、表、色、リンクまで自分用のひな型にして、次回から最初から読みやすい文書を作る方法があります。
この記事では、Windows版Wordを中心に、アクセシビリティ チェックの開き方と、初心者が優先して見る5つのポイントを説明します。なお、Wordのバージョンや契約によって表示名が少し異なる場合があります。
Wordのアクセシビリティ チェックとは
Microsoftの公式案内では、Word、Excel、PowerPointなどで、文書内のアクセシビリティ上の問題を確認し、修正方法の提案を受けられると説明されています。
Wordでは、基本的に次の順で開きます。
- 確認したいWord文書を開く
- 上部の 「校閲」 タブをクリックする
- 「アクセシビリティ チェック」 をクリックする
- 画面右側に開く「アクセシビリティ」ウィンドウを見る
ボタンが見つからない場合は、「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「アクセシビリティ チェック」 という経路も公式に案内されています。新しいMicrosoft 365では、文書を作成中にバックグラウンドで問題が検出され、ステータスバーに通知が出る場合もあります。
ただし、この機能は「押せば誰にとっても完璧な文書になる魔法のボタン」ではありません。Microsoftも、チェックでは検出できない問題があり、最後は人の目でも確認する必要があると案内しています。ここを知らずに緑色の結果だけをゴールにすると、かえって安心しすぎます🤔
ポイント1:最初は「エラー」から直す
チェック結果には、主に エラー、警告、ヒント が表示されます。Microsoftのルール説明では、エラーは文書の理解を難しく、または不可能にする可能性がある問題、警告は多くの場合に理解を難しくする問題、ヒントは操作性をさらに良くできる項目として整理されています。
一覧が多いと、上から全部直そうとして疲れてしまいます。おすすめの順番は次のとおりです。
- エラー:まず確認する
- 警告:文書の用途に合わせて直す
- ヒント:時間があれば改善する
- インテリジェント サービス:AI提案なら内容の正確さを自分で確かめる
右側の一覧で問題をクリックすると、該当する画像や箇所へ移動できます。修正理由と推奨処置も表示されるため、最初から専門用語を全部覚える必要はありません。
「エラーが7件」と出ると、文書全体が失敗したように見えて少し焦ります。しかし、同じ種類の画像に説明がないだけで件数が増えていることもあります😅 まず1件を選び、何が繰り返されているかを見ると落ち着いて対処できます。
ポイント2:画像には「何が重要か」を代替テキストで書く
画像、図形、グラフなどを目で見られない人は、スクリーンリーダーが読み上げる 代替テキスト から内容を理解します。画像を右クリックして 「代替テキストの表示」 を選び、右側の欄へ説明を入力します。
大事なのは、見た目を細かく実況することではなく、その画像を置いた目的を書くことです。
たとえば、教室の地図なら「SCROOMは○○交差点から南へ進み、右側にある」のように、読者が知りたい位置関係を書きます。売上グラフなら「4月から6月にかけて売上が増え、6月が最大」のように、読み取るべき結論を書きます。
反対に、区切り線や雰囲気づくりだけの飾り画像は、無理に説明を付けるより 「装飾としてマーク」 を選ぶ方が適切です。すべての画像へ「画像」「写真」「イメージ」とだけ書いても、内容を理解する助けにはなりません。
AIが代替テキストを提案する場合もありますが、人物、数値、場所、文脈を誤る可能性があります。提案は下書きとして使い、実際の画像と本文を見て直します。
ポイント3:見出しは大きさではなく「見出しスタイル」で作る
文字を大きくして太字にすると、人の目には見出しに見えます。しかし、Wordや読み上げソフトには、それが見出しだと伝わらない場合があります。
見出しにしたい文字を選び、「ホーム」タブ→「スタイル」→「見出し1」「見出し2」 のような組み込みスタイルを使います。文書タイトルの下に大項目、その中に小項目が入るよう、順番も飛ばしすぎない方が読みやすくなります。
見出しスタイルには、読み上げ対応以外の利点もあります。
- ナビゲーションウィンドウで章を移動しやすい
- 自動目次を作りやすい
- 全見出しのデザインをまとめて変更しやすい
- 長い文書の構造を自分でも見直しやすい
「見出し1は見た目が好みではない」という反対意見もあります。その場合は、太字だけへ戻すのではなく、見出しスタイル自体のデザインを変更します。構造と見た目を分けて考えると、読みやすさとデザインを両立できます。
ポイント4:表とリンクは、目で追わなくても意味が伝わる形にする
表は便利ですが、セルを複雑に結合したり、表の中へ表を入れたりすると、キーボードや読み上げソフトで順番を追いにくくなります。Microsoftは、表を使うならデータ表示に必要な場合に絞り、単純な構造と列見出しを使うよう案内しています。
名簿や比較表なら、1行目へ「氏名」「日付」「状態」のような見出しを置きます。レイアウトを整える目的だけで透明な表を使っている場合は、段落、余白、タブなど別の方法で組めないか検討します。
リンク文字にも注意します。
- 分かりにくい例:「こちら」
- 分かりやすい例:「SCROOMの無料体験を予約する」
リンクだけを一覧で読み上げても、移動先が分かる言葉にします。長いURLをそのまま本文へ置くより、目的を表す短い文字へリンクを設定した方が、見た目も読み上げも整理しやすくなります。
ポイント5:色のコントラストと「見た目の最終確認」を分ける
薄い灰色の文字や、淡い背景に似た色の文字は、おしゃれに見えても読みにくいことがあります。Wordのアクセシビリティ機能は、背景とのコントラストが低い文字色を指摘し、改善候補を示す場合があります。
Wordのアクセシビリティ アシスタントの案内では、Windows版Microsoft Wordで、色のコントラスト、代替テキスト、表、見出しなどを確認する方法が説明されています。色だけで「赤は未完了、緑は完了」と伝えると、色の違いが分かりにくい人には意味が届きません。色に加えて「未完了」「完了」と文字でも書きます。
機械チェックが終わったら、次は人の目で見ます。
- 100%表示で文字が小さすぎないか
- 白黒印刷でも意味が分かるか
- 見出しだけを追って内容の流れが分かるか
- 画像を隠しても、本文と代替テキストで要点が伝わるか
- PDFに変換した後も改ページや表が崩れていないか
ここは「チェックに合格したのだから省略してよい」と思いやすい工程です。けれど、機械は文章の分かりやすさ、説明の順番、画像内の文字が本当に読めるかまでは判断しきれません。最後の1分で人が見る価値は、かなり大きいです😊
アクセシビリティ対応は、一部の人だけのため?
「障害のある人へ配る文書ではないから、自分には関係ない」と感じるかもしれません。実際、短い自分用メモまで毎回厳密に整える必要はありません。
ただ、配布資料、学校や教室のお知らせ、会社の手順書、自治会資料のように、誰がどの環境で読むか分からない文書では話が変わります。見出しが整っていれば探しやすく、リンク先が具体的なら押し間違いが減り、色だけに頼らなければ白黒印刷でも伝わります。これは読み上げソフトを使わない人にも効く改善です。
攻めの選択肢は、すべてを完璧にすることではありません。よく使う案内文のひな型へ、見出しスタイル、読みやすい色、単純な表、具体的なリンク文を最初から入れておくことです。毎回の修正量が減り、結果として続けやすくなります。
配布前の5分チェックリスト
- 「校閲」からアクセシビリティ チェックを開く
- エラー、警告、ヒントの順に内容を見る
- 意味のある画像へ代替テキストを付ける
- 見出しスタイル、単純な表、具体的なリンク文字を使う
- 色、白黒印刷、PDF変換後の見た目を人の目で確認する
最初から全項目をゼロにしようとしなくても大丈夫です。まずエラーを一つ開き、Wordが「なぜ困るのか」を説明している部分まで読んでみてください。直す理由が分かると、次の文書では同じ問題を作りにくくなります。
SCROOMでは、Wordの基本操作だけでなく、自分で作った案内文や資料を実際に開き、見出しや画像、表を一緒に確認できます。「ボタンの場所が自分の画面と違う」「何から直せばよいか分からない」という段階からでも大丈夫です。
