PowerPointで発表するとき、「次に何を話すんだっけ」と頭が真っ白になるのが心配で、スライドへ文章を詰め込みたくなることがあります。自分は安心できますが、見る側は長い文章を読みながら説明も聞くことになり、かえって内容を追いにくくなります💦

そんなときに役立つのが、PowerPointの発表者ツール(発表者ビュー)です。プロジェクターや外部モニターにはスライドだけを映し、手元のパソコンには現在のスライド、次のスライド、発表者用ノート、時刻やタイマーを表示できます。

ただし、チェックを入れるだけで必ずノートが隠れるわけではありません。2画面の表示方法が「複製」になっていたり、発表者側と参加者側の画面を取り違えたりすると、見せたくないノートやデスクトップが大画面へ出るおそれがあります。この記事では、Windows版PowerPointを中心に、発表前の設定、ノートの作り方、画面が逆になったときの確認まで整理します。

PowerPointの発表者ツールとは?

発表者ツールは、話す人だけが見る画面と、参加者に見せる画面を分ける機能です。Microsoft公式では、発表者側に現在のスライド、次のスライド、発表者のノートを表示できると案内されています。

参加者側には、基本的にスライドそのものだけが表示されます。発表者は次の内容を先回りして確認できるので、「次のページで何を話すか」を思い出すために、いったん後ろを振り返る必要が減ります。

使える機能はノートだけではありません。

  • 現在のスライドと次のスライドの確認
  • 発表者ノートの表示と文字サイズ変更
  • 現在時刻と経過タイマーの確認
  • スライド一覧から別のページへ移動
  • ペンやレーザーポインターで注目箇所を示す
  • スライドの一部を拡大する
  • 参加者側の画面を一時的に黒くする

最初に知ったときは「カンペを隠す機能」くらいに見えますが、実際は話す順番と時間を落ち着いて管理するための操作席に近い機能です😊

先に発表者ノートを作る

発表者ツールを使う前に、各スライドへノートを入れます。標準表示のPowerPointで、スライドの下にある「ノート」欄を開き、そのページで話したい補足を書きます。

ノートへ長い原稿をそのまま貼ると、発表中に読む場所を見失いやすくなります。おすすめは、一枚につき次の3種類へ絞ることです。

  1. 最初に口にする一文
  2. 忘れたくない数字や固有名詞
  3. 次のスライドへつなぐ一文

たとえば、料金説明のスライドなら「結論:月額ではなく回数で比較」「対象は初心者」「次はサポート内容」のように、目で拾える短い言葉にします。文章を読むための台本ではなく、話を戻すための目印にするイメージです。

ノートには太字や箇条書きなどの書式を付けられますが、印刷したノートと画面上の発表者ビューでは、同じ見え方にならない書式もあります。Microsoft公式も、印刷用に設定したフォントの変更は、ノートウィンドウや発表者ビューへ反映されないと案内しています。大事な語句は装飾だけに頼らず、短く改行しておく方が見つけやすいでしょう。

発表者ツールを使う設定手順

本番の直前ではなく、プロジェクターや外部モニターへ接続した状態で一度テストします。

手順1:2つ目の画面へ接続する

ノートを発表者だけに見せ、参加者側へスライドだけを出すには、2つ目の画面が必要です。ノートパソコンとプロジェクター、またはノートパソコンと外部モニターをHDMIや対応する接続方法でつなぎます。

Microsoft公式では、このように表示を分けるには2番目の画面への接続が必要と明記されています。会場の変換アダプターやケーブルが自分のパソコンに合うかも、先に確認してください。

手順2:Windowsの表示を「拡張」にする

同じ画面が2台へ映る「複製」のままでは、発表者用と参加者用を分けられません。Windowsのディスプレイ設定で、複数の画面を拡張する設定にします。

手早く切り替えるなら、キーボードのWindows + Pを押し、「拡張」を選びます。会場で慌てやすい場所なので、接続後にマウスポインターを左右へ動かし、別画面へ移ることまで確認しておくと安心です。

手順3:「発表者ツールを使用する」をオンにする

PowerPointを開き、次の順で設定します。

  1. リボンの「スライド ショー」タブを開く
  2. 「発表者ツールを使用する」にチェックを入れる
  3. 必要なら、発表者ツールを表示するモニターを選ぶ
  4. 「最初から」をクリックするか、F5キーで開始する

開始すると、手元にはノート付きの画面、外部画面にはスライドだけが出ます。ここでいきなり安心せず、参加者側の画面を実際に見てください。自分の手元が正しく見えることより、相手側に余計なものが出ていないことの方が大切です。

手順4:ダミーの2枚で動作確認する

本番資料には顧客名、社内メモ、未発表情報が入ることがあります。最初の接続確認は、個人情報のないダミースライド2枚で行うのが堅実です。

  • 1枚目のノートに「これは手元だけ」と入力する
  • 2枚目に大きく「次のスライド」と入力する
  • 発表者側にノートと次ページが見えるか確認する
  • 参加者側にノートが出ていないか確認する

このテストなら、画面が逆でも機密情報を見せずに直せます。「たぶん大丈夫」で本番ファイルを開くより、1分の確認がよく効きます🤔

画面が逆・ノートが見えないときの確認

1. 参加者側にノートが映った

まずスライドショーを終了し、PowerPointの「スライド ショー」タブで、発表者ツールを表示するモニターの選択を確認します。Windowsのディスプレイ設定で、どちらが1番・2番かを「識別」してから選び直すと混乱しにくくなります。

発表中に直そうとすると、デスクトップや通知を参加者へ見せる可能性があります。安全を優先し、いったん投影を止めてから設定を直してください。

2. 両方に同じスライドしか映らない

Windows側が「複製」になっている可能性があります。Windows + Pを押し、「拡張」へ変更します。その後PowerPointへ戻り、「発表者ツールを使用する」がオンかを確認してスライドショーを開始し直します。

3. ノートの文字が小さすぎる

発表者ビューのノート欄には、文字を拡大・縮小する操作があります。Microsoft公式では、ノート欄の左下にあるボタンで文字サイズを変えられると案内されています。原稿自体を巨大な文字へ直す前に、発表者ビュー側の表示サイズを調整してみてください。

4. 時間が押して現在地が分からない

発表者ツールには時刻とタイマー、スライド一覧があります。話を短くしたいときは、一覧表示から次の要点スライドへ移れます。ただし、飛ばしたページのアニメーションや話のつながりが崩れることもあるため、事前に「時間が足りないときはここへ飛ぶ」というページを一つ決めておくと楽です😅

オンライン会議で使うときの注意

ZoomやTeamsなどのオンライン会議では、会議アプリ側の共有方法によって相手に見える範囲が変わります。PowerPointの設定が正しくても、デスクトップ全体や発表者ビューのウィンドウを共有すれば、ノートが相手へ見える場合があります。

画面共有を始める前に、共有候補の小さなプレビューを見て、スライドショーだけが選ばれているか確認してください。会議アプリやPowerPointの版によって項目名は異なるため、初めて使う組み合わせは、自分のスマートフォンや別のパソコンから参加して見え方を確認する方法もあります。

また、通知のポップアップ、デスクトップのファイル名、ブラウザーのタブ名にも注意が必要です。発表者ツールはノートを自動的に機密扱いする仕組みではありません。ノートへパスワード、個人の連絡先、社外秘の細かなメモを書かないことも大切です。

発表者ツールを使う前のチェックリスト

本番前は次の順で確認します。

  • プロジェクターまたは外部モニターへ接続した
  • Windowsの表示を「拡張」にした
  • PowerPointの「発表者ツールを使用する」をオンにした
  • 発表者側と参加者側の画面を実際に見比べた
  • ノートへ個人情報や秘密情報を書いていない
  • ノートの文字サイズとタイマーを確認した
  • オンライン会議では共有対象のプレビューを確認した
  • 本番前にダミー資料で一度試した

ノートが見えると安心して文章を増やしたくなりますが、読むことに集中すると参加者の表情を見にくくなります。AIで話す原稿を作った場合も、そのまま全部を貼るより、数字・固有名詞・次へのつなぎへ削る方が実際の発表では使いやすいでしょう。

まずは2枚の練習スライドで試す

PowerPointの発表者ツールは、スライドを派手にする機能ではありません。話す人の不安を減らし、参加者には読みやすいスライドだけを見せるための機能です。

まずは2枚の練習スライドを作り、外部モニターへつないでください。1枚目のノートへ短い一文を書き、2枚目を次のスライドとして確認する。タイマーを動かし、ノート文字を拡大し、最後に参加者側へノートが出ていないかを見る。ここまでできれば、本番で迷う場所がかなり減ります。

PowerPointの発表準備や、ノートへ何を残せば話しやすいか分からない方は、SCROOMで実際の画面を見ながら練習できます。資料を作るだけでなく、「相手にどう見えるか」まで一緒に確かめていきましょう。

参考にしたMicrosoft公式情報