ホームページを見ていて、「この料金は自分にも当てはまるのかな」「無料体験では何をするのかな」と思っても、問い合わせフォームを開くところまでは進まないことがあります。

電話をかけるほどではない。メールを書くには、まだ質問がまとまっていない。そんな小さな引っかかりに、その場で答えられる窓口として、SCROOM公式サイトにAIコンシェルジュを設置しました。

画面に現れるのは、私をモデルにした「のっとさん」のキャラクターです。最初に短くごあいさつし、その後は画面右下の丸い窓に収まります。クリックすると、そのページを離れずに質問できます。

ただし、このコンシェルジュは「何を聞かれてもAIがそれらしい答えを作る」仕組みではありません。SCROOMが確認した回答だけを案内し、分からないこと、個別確認が必要なこと、個人情報を含む相談は人へ引き継ぎます。

この記事では、なぜこのような設計にしたのか、質問をどのように蓄積しているのか、そして店舗や小さな会社の問い合わせ対応へどう応用できるのかを紹介します。

💬 AIコンシェルジュを置いた理由

ホームページには、コース、料金、時間、アクセス、無料体験など、かなりの情報を載せています。それでも、訪れた方が実際に使う言葉と、こちらがページに書いた言葉は必ずしも同じではありません。

たとえば、サイトでは「ご希望の受講スタイル」と書いていても、利用者は「オンラインでも習えますか」と聞きます。「シニアクラス」と書いてあっても、「何歳からですか」「パソコンを触ったことがなくても大丈夫ですか」と聞きたいかもしれません。

FAQを増やせばある程度は解決しますが、長い一覧から自分の質問を探すのも意外と大変です。私自身、よくある質問を全部並べたページを見ると、途中で探すのを諦めることがあります😅

そこで、訪れた方が普段の言葉で質問し、該当する案内へすぐたどり着ける仕組みを作りました。

「AIに答えさせる」より、答えてよい範囲を決める

AIチャットボットというと、入力された質問に対してAIが自由に文章を作る姿を想像しやすいと思います。しかし、教室の案内で一番避けたいのは、もっともらしい間違いです。

料金、空席、予約の確定、受講できる時間、個別の見積りなどは、少し条件が違うだけで答えも変わります。古い情報や推測で返してしまうと、便利にするつもりの仕組みが、かえって混乱を生みます。

SCROOMのコンシェルジュでは、最初に想定質問と回答の候補を約110件用意しました。そのすべてを自動的に使うのではなく、サイト上で根拠を確認でき、運営側が承認した回答だけを案内対象にしています。

AIの役割は、ゼロから答えを創作することではありません。質問の意図を読み取り、承認済み回答の中から合うものを選ぶことです。そして選ばれた回答は、AIが勝手に書き換えず、確認済みの原文を表示します。

少し地味な設計に見えるかもしれません。ただ、教室の窓口では「何でも言えるAI」より、言ってよいことだけを案内できるAIの方が安心して使えます。

🛟 分からない質問は、無理に答えず人へつなぐ

作っている途中で一番気になったのは、答えが見つからなかったときの動きでした。

AIに聞いたのに「分かりません」で終われば、利用者は次に何をすればよいのか迷います。一方で、無理に回答させれば誤案内になります。ここはかなり考えました🤔

現在は、次のような質問を人へ引き継ぐ設計にしています。

  • 今日の空席や予約の確定
  • 一人ひとりで条件が変わる料金や見積り
  • 契約や支払いに関する個別確認
  • サイトの回答集に根拠がない質問
  • 氏名、電話番号、メールアドレスなどを含む相談
  • AIやデータベースに一時的な問題が起きた場合

回答できないと判断すると、同じチャット画面から「メールで相談する」へ進めます。相談内容をもう一度別のフォームへ書き直さなくても、人に確認を依頼できる流れです。

AIが止まった場合にも既存の問い合わせページを案内します。自動化は便利ですが、自動化だけを唯一の入口にしてしまうと、障害が起きた瞬間に相談窓口まで止まります💦 そのため、人へつなぐ道と従来のフォームを残しています。

📚 実際の質問を蓄積し、回答集とホームページを育てる

最初に110件ほど想定しても、実際にどのような言葉で質問されるかは、公開してみなければ分かりません。

そこで、コンシェルジュへ届いた質問は、個人情報らしい部分を機械的に伏せたうえで記録します。同じ内容の質問が何度も来た場合は、似た質問としてまとめ、回数を確認できるようにしました。

ここで大切なのは、届いた質問をそのまま自動回答へ昇格させないことです。管理者が内容を確認し、必要であれば正式な回答を作り、根拠を確認してから承認します。

質問の記録には保管期限も設けています。氏名、学校名、住所、電話番号、メールアドレス、パスワードなどを書かないよう画面で案内し、入力された場合にも保存前に伏せる処理を入れています。

この蓄積は、チャットボットのためだけではありません。

  • 同じ質問が多ければ、料金ページの説明が不足している
  • アクセスの質問が多ければ、地図や道順が見つけにくい
  • コース選びで迷う人が多ければ、比較表が必要
  • 体験の流れを聞かれるなら、申込み前の説明が足りない

このように、利用者の質問はホームページを直すための材料になります。アクセス解析では「どこで離れたか」は分かっても、「何が分からなかったか」までは見えません。質問が残ることで、その空白を少し埋められるのが面白いところです😊

小さなお店や会社の問い合わせ対応にも応用できる

今回の仕組みはSCROOM専用として作りましたが、考え方は他の業種にも応用できます。

店舗・教室

  • 営業時間、定休日、駐車場、アクセスの案内
  • 予約方法や持ち物の案内
  • サービスやコースの違いを説明
  • 当日の空き状況だけはスタッフへ引き継ぐ

制作会社・専門サービス

  • 依頼前によく聞かれる料金の目安
  • 制作期間、準備物、対応範囲の案内
  • 個別見積りが必要な案件を担当者へ渡す
  • 質問内容を整理してからメール相談へつなぐ

社内向け

  • 社内ルールや申請方法の案内
  • 新人がよく迷う操作の一次回答
  • マニュアルの該当箇所へ案内
  • 回答できなかった質問を、次回の研修内容へ反映

ただし、どの業種でも「AIを置けば問い合わせ対応が全部なくなる」とは考えない方がよいと思います。

定型的な案内はコンシェルジュが受け持ち、個別判断、感情への配慮、契約、重要な金額、例外対応は人が確認する。この役割分担が現実的です。

作るだけではなく、運用して直せる仕組みにする

チャット欄の見た目を作るだけなら、それほど難しくありません。実際の運用では、その後ろ側の方が重要です。

  • 誰が回答を承認するか
  • 古い料金や時間をどう見つけるか
  • 回答できない質問をどこへ送るか
  • 個人情報をどう扱うか
  • 連続投稿や迷惑送信をどう止めるか
  • 質問履歴をいつ削除するか
  • AIが停止したときの代替窓口をどうするか

SCROOMでは、回答集の管理画面、質問履歴、似た質問の集計、メールへの引き継ぎ、送信回数の制限、保管期限までを一つの運用として作りました。

完成して終わりではありません。これから実際の質問を見ながら、回答を増やすべきところと、ページ自体を直すべきところを分けて改善します。

画面右下の「のっとさん」へ質問してみてください

SCROOM公式サイトでは、画面右下に表示される丸い「のっとさん」からコンシェルジュを開けます。

「無料体験では何をしますか」「シニアでも大丈夫ですか」「オンラインで習えますか」など、気になることを普段の言葉で入力してみてください。回答集だけでは判断できない内容は、無理に答えずメール相談へご案内します。

同じような仕組みを店舗や会社へ設置できるか、まだ質問がまとまっていない段階からでもご相談いただけます。

AIに全部任せるのではなく、答えてよい質問と人が答える質問を分けます。

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